6. 平和デモ in Washington D.C.
2002年4月20日(土)、ワシントンDCで大規模な反戦デモが行われた。
明確な主旨などあまり知らないまま、とりあえず平和を望む多くの人たちが集まるのなら行ってみたいと
思い、私もプロビンデスからAFSC(クエーカーのNGO団体)が用意したバスに乗って、8時間かけてワシントンDCに
向かった。
当日の午前9時、ワシントンDCに到着した私達は、ひとまずAFSCなどが主催する反戦デモの会場に落ち着いた。
この日は、他にも反IMF/世界銀行の行進や、パレスチナ連帯の行進なども同時に行われており、異なる目的を
持ったいくつかのグループが共同で集会を開くというのは一体感も広がり、良いことだと感じた。
しかも、みんな”平和”を求めるという気持ちは共通しているので、会場では争い場面もなく、白人も黒人も
子供からお年寄りまでみんな様々なプラカードを持ち、その思いを共有していた。
プラカードには、”Peace is Patriotic"(平和は愛国的)とか、軍事費を教育や福祉にまわせ、など本当に良いことが
たくさん書いてあり、どう考えても、その人たちが言っていることの方が、アメリカ政府がやっていることより
もっともなことのように思えた。
一方、日本からも被団協が応募した十数人の若者がこのデモに参加していた。
彼らは大きな手作りの垂れ幕を持ち、NO MORE HIROSHIMA & NO MORE NAGASAKIを一生懸命訴えていた。
いつもは自分がしていることを、同じ若者がやっているのを見るのは不思議な気分さえした。
とかく若い人は平和活動などに興味がないと言われる中、何でこの人達はこんなに一生懸命やっているんだろう、
何がそうさせているんだろうと思い、思わず母校に在学中の大学生に”なんでこの道に?”なんて質問をしてみた。
その子の場合は、高校生の時に、平和ゼミナールに入っていて、その流れで・・・ということだったけれど、
ふと、私に”なんでNACの活動をしようと思ったの?”と多くの人が聞いてくることを思い出し、可笑しくなった。
人が自分にしてくる質問を私も人にしている。きっと私がこの若者達を見るような感覚で、人も私のことを
見ているのかな、と思った。
午後、大きな行進があったのだけど、やはり現在の情勢のためか、イスラエルのパレスチナ攻撃について
反対を訴える主旨のプラカードや、パレスチナの旗を掲げている中東系の人々の姿が多く目についた。
暴力の連鎖は何の解決にも繋がらないということをみんな知っている。それでも、暴力で訴えるしか方法を
知らないかのような現在の世界情勢。そして核の脅威。
人類破滅への道を止めようとこれだけ多くの人が立ち上がっているのに、それでも現状が好転してないのは
何故だろう。まだ多くの人が無関心、知らされていない、ということなんだろうか。
日本の有事法制のことについて、ほとんど知らなかったのだけど、今回日本の若者が持ってきていた新聞の
コピーを読み、初めて、日本も軍国主義に近づきつつある危うい状況について知った。日本の人たちがどれくらい
このことについて関心を持っているのか知らないけれど、”無関心”が最大の敵だと思う。
私もまだこの有事法についてお恥ずかしながらほとんど知らないので、インターネットなどでしっかり調べて
みなくてはと思う。
人々が立ち上がらないと、いつの間にか自分も巻き込まれるような状況になってしまうのだ。それに気づくころは
もう手遅れになってしまっている。人事じゃなくて、明日は我が身!
自分の親や兄弟、恋人などが戦争に行かないといけなくなってしまう状況なんて、想像しただけで身震いがしてくる。
今回のデモは、とても平和的で大規模(その数、75,000人〜110,000人と言われる。)なものだった。
みんな笑顔で、そして強い信念を感じさせる表情をしていた。
予想以上に若い人たちが多いのも嬉しい驚きであった。実際私が乗っていったバスも半数以上は大学生らしき
若者で占められていた。
そんな人並みに混ざって行進するのは、とても心地良い気分だったが、少数ではあるが同じく大学生くらいの
若者達が顔にマスクをし、国のために死ね!という揃いのTシャツを着て、行進している様子はネオナチを連想させる
恐ろしい光景であった。そんなことは絶対受け入れられない。
人の悪意に善意が負けてしまうことがあっては絶対いけない。
これも一種の戦いかもしれないけれど、暴力での戦いではない。
平和活動?デモ行進?と聞いただけで、”うーん、パス。”と思う人が多いかもしれないけれど(私がそうだったように)、
それは特別なことではなくて、自分が幸せになりたいのと同じように、そのためには自分以外の人も幸せになる
必要があるということに思いをはせ、自分の国で、世界で何が起きているのかということに目を見開くことが
既に立派な平和に繋がることだと思う。
人々の連帯に勝るものはない、と感じさせてくれる今回のデモ参加初体験だった。

”核?絶対反対!”の垂れ幕。 多くの警官が見守る中で、何の事件もなく無事終了。

日本からの若者も平和を訴える。 日本山妙法寺の人々も目立っていました。