9. 9/11 あれから1年
2002年 9月11日の夜に知り合いに向けて書いた報告メールです。長いですが・・・。
こんばんは。
今日は9・11でしたが、とりあえずミネアポリスでは何事もなく無事に1日が終わりそうです。
実は、この家ではニュースも新聞も見ないので、巷の状況に疎くなってます・・・。
でもアメリカ全体がどうだったかは日本のニュース番組でも詳しくやってそうなので(ブッシュコメントなど)、
きっとそういう番組ではやっていなかったであろう、少数派かも知れないけれど、私が参加したミネアポリスの
ダウンタウン近くの公園での集会の様子をご紹介します。
11時半から始まったこの集会のタイトルは、"Reflections on pain and peace"で、ミネソタの40以上の平和団体が
共同で主催した集いでした。平日でしたが公園には300人位の人が集まり、芝生に座り、アメリカ国旗を
振り回す人もおらず、何とも平和的な集まりでした。
公立の学校などでは、レッド・ブルー・ホワイトデーと言って、アメリカ国旗の色の入った洋服や物を身につけるよう
奨励されていた学校もあったりしたようですが、この集まりに来ていたミネソタフレンズスクール(クエーカーの学校)の
子供たちは平和のメッセージの入ったお揃いのキャップをかぶり、首からはダンボールに平和のメッセージや絵を
描いたものをぶら下げていたり、全く違っていました。学校の方針って、子供の考え方も大きく左右すると思うので、
重要ですね。
まずは、やはり去年のテロへの報復に関して、Violenceの連鎖じゃなくて、非暴力という方法で答えることが
できなかったことについて、テロで亡くなった3,000人のアメリカ市民の追悼と共に、その後のアフガン爆撃で亡くなった
3,000人以上の人たちへも追悼の黙祷がされました。そして、リタさんも所属するPeaceful Tomorrowsのメッセージが
読まれました。その中の、"We are all connected in this world and in our destiny."という言葉が印象に残りました。
まさにそうですね。
ミュージシャンの人もいらしていて、みんなで歌を歌ったのですが、Stand up for the people, for the children...という
ような歌で、最後のStand Up for the childrenのところでは、会場の人が一斉にみんな立ち上がり、思わず目頭が
熱くなりそうでした。
そして、近くの大学の平和学の先生がスピーチをされたのですが、下記のような内容でした。
・アメリカは"they hate us", "God is our side"などと言っているが、それはこの国の外交政策が導いているもので、
憎しみを生んでいると指摘。
・アメリカが軍事費に莫大な費用をつぎこんでおり、この国の軍事予算は、ヨーロッパ全部の国の軍事予算を
合わせたものより多い。
・国外からの圧力がアメリカの態度を止められる。アメリカに京都議定書や他のアメリカが参加しようとしていない
合意を守らせよう!
・イスラムとバイオレンスを結びつけようとするが、ではクリスチャニズムとバイオレンスはどうなんだ!今やっている
アメリカの行動は。
・もしpatriotismというものが、星条旗を振ることなのだったら、COUNT ME OUT! (私は数に入れないでくれ?)
・2002年1月(?)に、世界中の色々な宗教の宗教者が集まり、神の名のもと、ノーモアバイオレンス、
ノーモアテロリズム・・・ということを採択した。
・今日は悲しむだけの日ではなく、ノンバイオレンスを誓う日だ。
まさに、私としてはこの大学教授のおっしゃっていることがごもっともだ!と思ったのですが、なかなか外国人の
立場からはここまでキッパリ言いづらいです。本当のことだけに!?
でも、アメリカ人からこのような発言を聞くと、”そうだそうだ、もっと多くの人に言って気づいてもらって!”と嬉しく
なりました。そして、今日あの会場に来ていた人たちは、言われなくてもきっと皆さん分かっていたでしょうね。
節々で拍手喝采していました。
その後、人道支援のためイラクに何度か行ってきたという男性が自分がイラクで見てきたことなどを発言していました。
私がその人の話で心の残ったのは、やっぱりイラク市民の様子です。彼のお世話をしてくれた人が、”ここにはCNNも
ニューヨークタイムスもない。だから、これから何が起きようとしているのか知らない。教えて欲しい。”と聞いてきたので、
その男性は、”残念ながらブッシュ大統領は全力を尽くして戦争に行く準備を進めている。”と真実を伝えたそうです。
でも、それが何を意味しているのか彼にはよく伝わらなかったようです。というのも、彼にとっては、これまで何年も
戦争は続いてきたし、毎週のように空爆もされている。そして経済制裁も受けている。その状況と、これから戦争に
行くというのが何が違うのか理解できなかったというのです。なので、このアメリカ人の彼は再度、”今度の戦争は
違うのだ。イラクの全てを破壊しようとしている。”と言い、紙にイラクと書いて×印をしたらようやくこのイラク人の
男性は理解できたようで、”フセインはここに居さえもしないのに・・・”と言ったそうです。そのイラク男性には二人の
娘も居て、その娘達を捜し歩いている彼の姿を想像すると、胸が痛くなり、アフガニスタンは民間人の命でPayした、
アメリカ人はソーシャルセキュリティーや教育費、医療費でPayした、そして今度はイラクは多くの人の命でPayしないと
いけない戦争とは何なんだ!とその無意味さを訴えていました。
そうなのですよね、打倒フセインとか核兵器を作っているかもという疑惑によって、このイラク人男性家族のような
一般の暮らしをしたいだけの人たちが殺されようとしているのですよね。
それを知りつつ何もしないということは、自分も加担しているのと同じようなことだと感じました。(学校でのイジメ
みたいに見ているだけ人も罪があるのです。)
このイラクへの戦争を止めるために、立ち上がらないといけない時は今しかないと思います。まさに戦争に行こうと
している今。
その後は、フレンズスクールの子供たちの合唱や詩の朗読などがあったのですが、私は都合によりここまでしか
居れませんでした。
お分かりのように、今日の集会は、イラクへの戦争を止めさせよう!という色が強かったように思います。
去年の3月頃、イラクへの攻撃について可能性があると聞いた時は、まさかこんな何の理由もないのにまた
イラク攻撃とは国民も納得しないだろう・・・と思っていたのですが、ブッシュ大統領のこの9・11に絡めて、
核を持っている可能性が高いから、先制攻撃される前に攻撃しようという意見が現実味を帯びてきて、とても
びっくりしています。本当にこんなことが許されるのでしょうか?!
それをこの国の国民が止められないのなら、もう彼らは自分の国も地へ落ちて行くことを止められないでしょう。
この国の国民だけじゃなく、地球上の人はもうみな運命共同体になっていると思います。一国が勝手な行動をする
ことは許されません。だから、国際的にもこの動きを絶対止めなくてはいけないと思います。
今は、反対してくれているヨーロッパ(イギリスはだめですねー)が頼りですが、日本政府は相変わらず全然頼りないですね。
ここミネアポリスでも色々な団体が頑張っています。そして、NACの活動もサポートしてくれています。
Veterans for Peace、広島・長崎の被爆者、9・11の家族、湾岸戦争の犠牲者家族など、全て戦争に運命を
変えられた人々が大勢います。その人たちが連帯して、未来のそういう人たちをなくしていかないといけないですよね。
そういった意味で、4月に広島・長崎のHANWAの人たちが、ピースフルトゥモローズの人たちと連帯した場面に
立ち会えて、ラッキーだったと思っています。そういう人たちのパワーが今必要です。
私もますます平和のために働こうと思いを新たにした1日でした。